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特集☆院生インタビュー「最後の質問と、フリートーク」

伊藤
最後になるんですが、「朝から文学隊」というものを計画していると伺ったのですが、それはどのようなものなんでしょう?
森迫
いや、人が集まらないので、自分が勝手に勉強している感じになってるんですけど。あれは突発的にやっただけなんですけど。
伊藤
それをもし今後やるとしたら、どのような感じでやりたいと考えていますか?
森迫
一番いいのは、それぞれの研究のために基礎的な部分、文学を広く見るためにこれは見ておかなければいけないよねというところを押さえていくという勉強が一番理想的なんですけどね。ただ、さっきも言いましたけど、色んなこと言う人がいますからね。だから、難しいんですよ。最悪、自分が研究していることの発表会みたいな感じでも良いと思うんですよ。その勉強会があることによって、自分の時間の使い方を見直せるんじゃないかなと。一週間なら一週間で、その期間の研究の密度を濃くすることができるのではないかと思うんですよね。ただ、今のところ名乗り出てくれた人が一人しかいないので……しかも、その一人も教育実習があるということでなかなか忙しそうだし。文学隊の計画自体が、なかなか危ういところですね。
伊藤
僕も、計画に参加したいという気持ちはありますので、もしも実現することになりましたら、お声かけください!
伊藤
さて、用意してきた質問はこれで以上となるんですが、えーっと……何か言っておきたいことはありますか?
森迫
学部生にということであれば、一生懸命文学についての勉強をしたいのであれば、従来から名著と呼ばれているものは学部時代から読んでおくべきですね。それは、自分が後悔しているので。読んでおけばよかったなあって。
伊藤
僕ももう学部三年なわけですが、一年のときからああしておけば良かったなあと思うことはたくさんありますね……。
森迫
とりあえず、読んだっていう経験は作っておきなさいという感じですね。だから、夏目漱石の三部作とかも、読んだのって意外と最近なんですよね。
伊藤
うわあ、僕もまだ全部は読んでないんですよね(苦笑)
伊藤
なんか、不思議ですよね。文学って面白いはずなんですけど、読むのって結構苦しいところがあって。ソシャゲとかしてると、すぐに時間が経つじゃないですか。なのに、どうして僕らはそれをずっとやってるわけじゃなくて、文学に立ち向かうんだろうって思うんですよね。
森迫
なんでですかねえ。精神的な筋トレなんですかね。
伊藤
なんか、不思議だなあと思って。他の学部の人って、失礼な話ですけど割と言い訳できるところがあると思うんですよね。法学部の人とかは、就職があるから試験もキツイけど頑張ろう、みたいな気持ちの人もいるんじゃないかなと想像していて。文学部って、そういう言い訳があまりできない。
森迫
だから、あまり馬鹿にできないのは、文学を読むというのは人間的な勉強というのもあると思うんですよね。
伊藤
うーん、そうですかあ。いや、最近本当に読めなくてですね。本を手にとって読み始めると、「うわっ、まだこんなにある」と絶望するというか。
森迫
それによって、自分が何か語る言葉が増えるっていうところはあると思います。漱石の作品の中で、例えば「こういう言い方に対しては、こういう見方がある」というものがあって。それが、「それって今はそうだよね」という風に言わせるための力になる。自分の直感に何か昔からそういう見方があるというな歴史と関連した根拠づけができたりはしますね。だから、もしも即物的に役に立つ役にっ棚井という話をすれば、そういうところもあると。何か自分が直観したこととか、全くなかった見解というものを取り入れることができる。しかも、それは論文調の何かではなく、「文学」という人間が必然的にというか、残せざるを得なかったものの中にそれを見る、というのが良いんじゃないでしょうか。
伊藤
だから、「親近感」というものはあるのかもしれないですね。論文で言われるとよくわからないけれど、文学作品の中に自分を落とし込んでみると、わかることがあるかもしれない。
森迫
そうですねえ。だから、年齢を重ねて見て『山月記』を読むと、非常に苦しいですよ。「俺は何をしてきたんだ!」みたいになるから。高校生のときには分からなかった苦しさがあの作品の中にありますよ。多分、今読むといいですよ。今三年生ですよね、今読んでみると、絶対に苦しい。
伊藤
うわあ、読みたくないですねえ。僕、話も筋もほとんど覚えていないので、なおさら怖いです。「その声は、わが友李朝ではないか?」しか覚えてないので。
森迫
五月の読書会(伊藤が主催しているネット読書会)の課題図書って『坑夫』ですっけ?
伊藤
はい、『坑夫』です。
森迫
次は『山月記』をやったら、色々なところから面白い意見が出てくるんじゃないかなと思うんですけどね。短いから読みやすいし。……そういえば、何か色々企画されてますよね?
伊藤
いやあ、なんか今のうちにやっとかないと駄目かなあと思って(笑)
森迫
いや、それ凄く大事だと思いますよ。
伊藤
僕は多分、このままいけば院に行かずに社会人になると思うんですよ。だから、社会人になる前に爪痕を残しとかないと、今後文学をやらないと思ってて。自分の中で、強制されないとやらないものなんですよね、文学って。僕の場合は、ですね。だから、やっとかなくちゃいけないなあと思って。
森迫
良いことだと思います、本当に。
伊藤
だから、僕は先輩方とも別の読書会をやっていてですね。
森迫
『御目出度き人』とか読んでみてればいいのに(笑)
伊藤
あ、それ積読してるかもしれないです(苦笑)先輩が研究していると知ってからは何作か読んでみたんですけど、さっきも言ったように名前にハードルがありますよね。
森迫
何これ、凄く厳めしい内容書いてあるんじゃないかみたいな想像もしちゃうし。とか思ったら、彼は言文一致の完成者なんて言われたりもしますからね。
伊藤
そういえば、この前ちょうど読書会で『浮雲』を読んだんですよ。あれ、面白かったですね。
森迫
自分はあまり面白いと思わなかったけどなあ。
伊藤
僕は、「あ、昔の人も冗談言うんだ、すげえ!」って思って。
森迫
彼らも、純文学って考えて書いてないんじゃないかと思いますけどね。もちろん、文学というものを意識して書いてはいたでしょうけど、今で言うところの格式の高い文学ということで書いたのではないでしょうね。
伊藤
そうですよねえ。僕らは昔のものを良いと捉える懐古趣味みたいなものからどうしても抜け切れないんですよね。読んでいるうちにそれはなくなっていくんですけど、でも、最初の方は「昔のものだから……」という感覚がつきまとう。
森迫
その当時の人たちは、ただ面白いから読んでたんだと思いますけどね。
伊藤
なるほど。……それでは、この辺で終わりといたしましょうか。本日は、本当にありがとうございました!
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