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特集☆院生インタビュー「学部生時代との違いとは?」

伊藤
さて、先ほども少しお聞きしましたが、今度は現在と学部時代との違いについてお聞きしたいと思います。時間の使い方や時間割も変わると思うのですが、その辺りについてお聞きしたいと思います。
森迫
それは、環境的な違いですか?
伊藤
そうですね。それでは、まずは環境的な違いからお伺いしたいと思います。
森迫
環境的といえば、やっぱり授業数が少ないことが挙げられますよね。必要単位もものすごく少ないので。だから、学部から上がって院に進学とかだったら、時間の余裕は非常にありますね。
伊藤
余った時間を自分の研究に充てるという感じで?
森迫
そうですね。10コマ取ったら、とても多いくらいで。
伊藤
10コマで多いんですか。
森迫
だから、社会人の人とかだと、それくらいで丁度いいのかなっていう設定なんですけど。だから、時間があるから……まあ、無い人もいますけど。時間があるから、「明日やればいいや」みたいな誘惑を受けることがあるので。やる気とかにもかかわってくる感じですけど。
伊藤
手法とかは、特に変わらないんですかね?
森迫
特にないんじゃないですかね。ただ、読むもの、論文の数とか論文の範囲の広さ、経験によって、物の見方がどんどん広がっていくということはありますね。だから、基本的なスタンスは自分の中では変わらなかったですね。
伊藤
なるほど、あまり変わらないんですね……。
森迫
ただ、院まで来たんだからっていう意識はちょっと違うかもしれないですね。やっぱり、自分が文学を勉強したくて来てるので。自分に戒める形で「お前、院まで来たのにそんなところまででいのか!」みたいなことは言い聞かせてますね。だから、最近は特に読む本の量も増えましたし、考えることも増えましたし、前までつけてなかった研究ノートとかもつけてます。武者小路以外の本についても、考えたこととか読んでわからなかったこととかを書いてます。まとめて漠然とほったらかしにしないというだけでも、随分と違う気がしますね。
伊藤
ちなみに、年間でどれくらい本を読まれるんですか?
森迫
冊数じゃなくなったので、よくわからないですね。全集だとかを読むので。冊数に換算できない部分がわからないので。ただ、自分はあまり読む本が多い方ではなくて。「もっと読めよ」という感じなので。ただ、空いてる時間は常に何か読むようにしてますね。
伊藤
凄いですよね。最近、僕はだんだんと物が読めなくなってきちゃって。
森迫
今は、『レトリック感覚』というものを読んでいます(本を取り出しなが)
伊藤
(本の表紙を見ながら)『レトリック感覚』……。作者は佐藤信夫さん、ですか。
森迫
この人は何の人かよく知らないんですけど。なんで読んでるのかっていうと、これは勧められたんですよ、大学の先生に。「これは名著だ」っていう風に言われて。とりあえず、何でも摂取しようかなと思って。
伊藤
文学以外の本も読まれたりしますか?
森迫
なんというか、「文学」以外ってどこまでかってなるんですけど。たとえば、歴史学とか社会学とか、全然別のことをやっているはずなのに、自分の研究とつながってくるから。ぽんぽんと飛び石みたいな感じで読んだものが、あるときつながったりはするので。特に「これは文学だし、これじゃ文学じゃないし」ということでわけて読むことはないですね。
伊藤
そうですか……。あ、例えば、図書館には分類があるじゃないですか。僕ら文学を学ぶ者は900番台の棚から書物を探すことが多いと思うんですけど。そこ以外の本棚を見て学ぶこともあるんですかね?
森迫
いや、申し訳ないけど、あまり文学以外の棚に行ったことがないので(笑)探す本が、やっぱり文学以外のところにあることが多くて。
伊藤
僕は、なんか逆にあの辺りがあまり好きではなくて。全集とかみると「うっ……」って感じになるので。
森迫
でも、全集とかは便利で。「あ、これについて見てみたいな」っていうときにすぐに参照することができるので。
伊藤
そうですよね、全集って全部読む必要はないんですよね。
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